9月9日は「救急の日」です。九(きゅう)九(きゅう)の語呂で、1982年に定められました。この日を含む一週間は救急医療週間として、各地で講習会が開かれます。
救急車を呼ぶ場面は、人生でそう何度もありません。だからこそ、いざそのときに頭が真っ白になります。今日は、呼ぶ前と呼んだあとにやることを7つ。覚えておくと、到着までの十数分の意味がまるで変わります。

夜中に子どもが高熱を出して、救急車を呼ぶべきか30分迷ったことがあります。結局、朝まで様子を見て翌日受診しました。#7119の存在を知ったのはその翌週で、「なぜもっと早く知らなかったのか」と本気で思いました。
1. 救急車は「無料の便利なタクシー」ではない、が
全国の救急出動件数は年間760万件を超える水準まで増えていて、過去最多を更新し続けています。一方で、搬送された人のおよそ半数は入院を必要としない軽症だった、という統計もあります。
ただ、これを「呼ぶな」という意味に受け取ってほしくはありません。迷って呼ばなかったせいで手遅れになるほうが、はるかに取り返しがつかない。大事なのは、迷ったときに相談する先を知っておくことです。それが次の話です。
2. 迷ったら#7119、子どもは#8000
#7119は救急安心センター事業の電話番号で、医師や看護師などの相談員が、いま救急車を呼ぶべきか、自分で受診すべきか、様子を見てよいかを一緒に判断してくれます。受診できる医療機関も案内してもらえます。
子どもの急な発熱やけがで迷ったときは#8000(こども医療でんわ相談)。夜間や休日に小児科医・看護師へつながります。どちらも実施している地域とそうでない地域があるので、自分の住む自治体で使えるかどうか、今日のうちに調べて登録しておくのがおすすめです。
もちろん、意識がない、呼吸がおかしい、胸の痛みが続く、顔や手足の片側がしびれる、大量に出血している。こうした場合は迷わず119番です。
3. 119番で最初に聞かれるのは、4つだけ
電話がつながると、まず「火事ですか、救急ですか」と聞かれます。ここで「救急です」と答えたあと、順に聞かれるのは次の4つです。
- 場所(住所、目印になる建物)
- 誰が、どうしたのか(年齢・性別・症状)
- いまの状態(意識・呼吸の有無)
- 通報している人の名前と電話番号
慌てて症状から話しはじめる人が多いのですが、いちばん重要なのは場所です。場所さえ伝われば、話している間に出動が始まります。落ち着いて答えれば、あとは向こうが順番に聞いてくれます。
4. 場所が言えないときの伝え方
出先で倒れた人に遭遇したとき、住所が分からないことはよくあります。そんなときは、近くの電柱に貼られた住居表示、自動販売機の管理ラベル、信号機に付いた交差点名、コンビニの店名。この4つが強い手がかりになります。
スマホの地図アプリで自分の現在地を開いて読み上げるのも確実です。「見えているものを、そのまま言う」。それで十分に伝わります。

5. 到着までの平均およそ10分に、できることがある
近年の統計では、119番から救急車が現場に到着するまでの全国平均は約10分。病院に収容されるまでは45分ほどかかっています。この10分は、待つだけの時間ではありません。
意識も呼吸もない場合は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)を始めます。強く、速く、絶え間なく。1分間に100〜120回のテンポで、胸が約5cm沈む強さ。119番の通信指令員が電話越しに手順を教えてくれるので、スピーカーにして指示に従ってください。自信がなくても、何もしないより、はるかに良い結果になります。
6. 玄関を開け、鍵を開け、持ち物をまとめる
意外と忘れられるのが、これです。救急隊が到着したときにマンションのオートロックが開かない、玄関が施錠されていると、それだけで数分を失います。可能なら、家族の誰かが外に出て手を振る。ひとりのときは、玄関の鍵を開けておく。
持っていくものも決まっています。健康保険証、お薬手帳(またはお薬の袋)、かかりつけ医の診察券、現金かカード、スマホと充電器。お薬手帳は、搬送先の医師にとってとても重要な情報源です。玄関に近い場所にまとめておくと、慌てずに済みます。
7. 通り道のAEDを、1か所だけ覚えておく
AEDは全国に数十万台設置されていますが、いざというときに「どこにあるか知らない」ために使われないことが多い機器でもあります。
駅、コンビニ、学校、公共施設、大きな商業施設。今日、自分の生活圏で1か所だけ場所を確認しておいてください。1か所知っていれば、そこから探す起点になります。使い方は、蓋を開けると音声が全部教えてくれます。電源を入れて、パッドを貼るだけ。それ以外は機械が判断します。
まとめ:今日やるのは、番号を登録するだけでいい
救急の日にできることはたくさんありますが、いちばん効くのは地味な準備です。スマホの連絡先に#7119と#8000を登録する。お薬手帳の置き場所を家族と共有する。近所のAEDを1か所覚える。
どれも5分で終わります。使う日が来ないのがいちばんですが、来たときには、この5分が効きます。
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