【9月1日は防災の日】帰宅困難者にならないための7つの準備〜「すぐ帰る」がいちばん危ない日もある

防災の日 帰宅困難者にならないための7つの準備 トイレ

9月1日は防災の日です。1923年(大正12年)のこの日に関東大震災が起きたことにちなんで、1960年に制定されました。今年で103年目になります。

防災の話というと、家の備えが中心になりがちです。でも地震は、家にいるときに起きてくれるとは限りません。むしろ平日の昼間なら、多くの人は職場や学校、出先にいます。今日はそこにしぼって、「帰れなくなったとき」の話を7つ。

駅で電車を待つ人々のグループ
写真: Unsplash

2011年のあの日、私は職場から4時間かけて歩いて帰りました。革靴で。翌日は階段を下りるのがつらく、そこで初めて「歩いて帰る」が根性ではなく体力と装備の話だと知りました。ロッカーにスニーカーを置いたのは、その翌週です。

1. あの日、首都圏で約515万人が帰れなくなった

2011年の東日本大震災では、首都圏で約515万人が帰宅困難になったと推計されています。電車が止まり、道路は人で埋まり、コンビニの棚は数時間で空になりました。

このとき問題になったのは、混乱そのものよりも「みんなが同時に歩き出したこと」でした。歩道からあふれた人が車道に出て、救急車や消防車が通れない。余震で看板やガラスが落ちてくる中を、何時間も歩く。帰ろうとしたことが、いちばん危なかったという反省が残りました。

2. だから「すぐ帰らない」が原則になった

その反省から、東京都は帰宅困難者対策条例をつくり、大地震のあとはむやみに移動を開始せず、原則3日間はその場にとどまるという考え方(一斉帰宅の抑制)を打ち出しました。72時間は、救助活動が最優先される時間でもあります。

「3日も会社に泊まるのか」と思うかもしれません。でも歩いて帰る途中で怪我をすれば、助けを必要とする側に回ってしまう。安全な建物の中にいられるなら、そこにいるほうが結果的に早く家に帰れます。

3. 自分の「帰宅距離」を、いちど測っておく

とはいえ、状況によっては歩いて帰る判断もあり得ます。そのときのために、自宅から職場までの距離を一度だけ調べておいてください。

徒歩の速度は、平時で時速4km前後。ただし災害時は、信号も止まり、人も多く、道もふさがれるので、その半分程度まで落ちると考えたほうが安全です。目安として、10km以内なら歩いて帰れる可能性がある、20kmを超えるとかなり難しい。20kmは、平常時でも5時間コースです。数字が分かっていれば、当日「歩くか、とどまるか」で迷う時間が減ります。

4. 職場と学校に、何が置いてあるか知っていますか

東京都の条例では、事業者に対して従業員が3日間とどまれるだけの備蓄が求められています。飲料水は1人1日3リットル×3日分、食料は3日分、そのほか毛布や簡易トイレなど。

ここで聞きたいのですが、あなたの職場の備蓄がどこに置いてあるか、ご存じでしょうか。棚の場所を知らなければ、備蓄はないのと同じです。防災の日は、総務の人に「うちの備蓄ってどこですか」と聞いてみるのに、ちょうどいい口実になります。

駅を行き交う人々のタイムラプス写真
写真: Unsplash

5. 徒歩帰宅ルートは、夜と雨で別物になる

もし歩いて帰るなら、ルートは事前に決めておきます。ポイントは、広い道を選ぶこと。狭い商店街や古い住宅街は、ブロック塀や看板が落ちてくる可能性があります。川沿いや地下道も避けたい。

そして、そのルートを一度、夜に歩いてみてください。昼に見た景色と、街灯が消えた夜の景色は、まったく違います。停電していれば、なおさらです。歩きやすい靴が職場のロッカーにあるか、というのもここに関わってきます。ヒールで20kmは、現実的ではありません。

6. 外出先でいちばん困るのは、トイレと充電

実際に帰宅困難を経験した人の話でよく出てくるのが、この二つです。断水すればビルのトイレは使えなくなり、駅のトイレには長い列ができる。スマホの電池は、情報収集と安否確認で驚くほど早く減ります。

対策は地味ですが効きます。モバイルバッテリーを一つ、いつも持ち歩く。そして日ごろから、よく行くエリアで使えるトイレの場所を把握しておく。コンビニ、公共施設、商業ビル。この「知っている」の差が、当日の消耗をかなり減らします。

7. 「帰らない」を、家族と先に約束しておく

最後がいちばん大事かもしれません。とどまる判断ができない理由の多くは、家族の安否が分からないことだからです。

だから先に約束しておきます。「連絡がつかなくても、無事だと思って動く」「お互いその場の安全な場所にとどまる」「集合場所は◯◯」。この三つを共有しておくだけで、「迎えに行かなきゃ」という焦りがずいぶん減ります。安否確認の手段としては、災害用伝言ダイヤル171やweb171も一緒に決めておくと万全です。

まとめ:今日やるなら、距離を測るだけでいい

防災の日にできることはたくさんありますが、全部やろうとすると結局なにもしません。今日ひとつだけなら、自宅と職場の距離を調べる。所要3分です。

その数字を家族に伝えて、「20kmあるから、その日は帰らないよ」と言っておく。それだけで、いざというときの選択が一つ減ります。減らしておくことが、備えです。

ファービヨンドのアプリ紹介

避難所や一時滞在施設、外出先のトイレ、近くの医療機関。当日に検索するのではなく、平常時に一度開いておくのがコツです。

災害伝言板と防災施設情報の共有ガイドMAP

災害伝言板と防災施設情報の共有ガイドMAPのアイコンとアプリ画面

避難所などの防災施設を地図で探せて、災害用伝言板も使えるアプリです。使うのは非常時ですが、入れておくのは平常時。

使い方は3ステップ

  1. 平常時に、自宅・職場・学校のまわりの避難所を一度見ておく
  2. 災害時は地図から近くの防災施設を確認
  3. 災害用伝言板で、自分の状況を登録/家族の状況を確認

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トイレ情報共有マップくん

トイレ情報共有マップくんのアイコンとアプリ画面

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病院 情報共有マップくんのアイコンとアプリ画面

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「情報共有マップくん」は、合同会社ファービヨンドが運営する、みんなで場所の情報を持ち寄る地図アプリのシリーズです。ふだんから使い慣れておくことが、いざという時のいちばんの備えになります。

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