【11月5日は世界津波の日】津波の雑学7選〜「逃げる」は海からより上へ

災害

海の近くを旅行するとき、「きれいだな」で終わりがちです。けれど同じ景色でも、頭の片隅に一つだけ入れておく言葉があります。津波は、海から離れるだけでは足りないことがある、です。

今日11月5日は世界津波の日。遠い海辺の話に見えて、通勤中も、買い物中も、旅行中も、実はかなり身近です。知っているだけで動きが変わる、小さな豆知識を7つ集めました。

11月5日が「世界津波の日」なのは、日本の昔話がきっかけ

世界津波の日は、国連が定めた国際デーです。日付の11月5日は、日本の「稲むらの火」に由来します。和歌山県広川町に伝わる、地震のあとに高台へ逃げるよう村人に知らせた話です。

ここが少し面白いところで、世界の記念日なのに、出発点は日本の地域の物語です。ニュースで聞くと大きな制度の話に見えますが、元をたどると「まず逃げさせる」という、かなり生活者目線の知恵でした。

防災はどうしても備蓄の話になりやすいですよね。でも津波では、家に物があるかより、最初の数分にどちらへ足を向けるかのほうがずっと重い。そこが地震対策との違いです。

津波は「引き波を見てから」では遅い。しかも、引かないこともある

津波というと「海の水がいったん大きく引く」と思っている人が多いはずです。あれは半分だけ正解で、実際には最初に押し寄せる場合もあります。つまり、海面の変化を見て判断しようとすると遅れます。

地震を感じた、あるいは津波警報などを知った。その時点で動く。答えはもう出ています。海岸で写真を撮って確認、車に荷物を取りに戻る、これがいちばん危ない寄り道です。

旅行先だと土地勘がないぶん、つい周りの人の様子を見てしまいます。けれど津波は、周りが立ち止まっていても来ます。見てから逃げるのではなく、聞いたら逃げる。人に話したくなるほど単純ですが、実際にはこれが難しい。

曇った海辺の遊歩道で、スマホを手にした観光客が振り返り、その先の坂道へ走り出そうとしている場面。海と高台が同時に見える構図

「海から離れる」より「高い場所へ」が先。川沿いも油断しにくい

津波から逃げるときの合言葉は、横より縦です。もちろん海から離れるのは大事ですが、平らな街でだらだら遠くへ行くより、近くの高台や津波避難ビルに上がるほうが早いことがよくあります。

意外なのは、海の目の前でなくても安心しきれない点です。津波は川をさかのぼることがあります。海水浴場の近くでなくても、河口に近い街や川沿いの道を歩いているときは、避難の向きを海だけで考えないほうがいい。

通勤や買い物でも同じです。駅から海は見えなくても、地図で見ると川沿いだった、という街は少なくありません。いつもの道の途中に、階段のある立体駐車場や高い公共施設があるか。一度見ておくと、景色の見え方が変わります。

車は便利でも、津波避難では足止めになりやすい

荷物が多い日や子ども連れだと、車で逃げたくなります。気持ちはよく分かります。ただ、津波避難では渋滞が起きやすく、かえって動けなくなることがあります。海辺の観光地や漁港の近くでは、道が限られている場所も多いです。

歩いて上がれる坂、階段、避難ビル。こうした「車なしでも届く逃げ先」を知っている人ほど強い。高齢の家族と一緒ならなおさら、車を前提にせず、まず最短で上へ行ける場所を確認しておくのが現実的です。

そしてもう一つ。地震のあと、道路は見た目が無事でも傷んでいることがあります。信号が止まることもある。車が万能に見える日ほど、徒歩避難の価値が上がります。

海沿いの町で、狭い道路に並ぶ車列の横を、家族連れや通勤客が階段のある高台へ急いで上がっていく様子。遠景に川と橋が見える

「一度引いたら終わり」ではない。次の波のほうが高いこともある

津波は一回で終わるとは限りません。何度も来ることがありますし、後から来る波のほうが大きい場合もあります。最初の波が思ったより小さかったからといって、海辺に戻るのは危険です。

これは災害の中でも少しやっかいな点です。火事なら炎が見える、豪雨なら雨の強さが分かる。けれど津波は、いったん静かに見える時間が人を戻らせます。だから解除の情報を確認するまで高い場所にとどまる、が基本になります。

子どもに伝えるなら、「津波はベル一回では終わらない」と言い換えると通じやすいかもしれません。学校でも家庭でも、逃げたあとに戻らない理由までセットで話しておくと、記憶に残ります。

旅先ほど、避難場所は「着いた直後」に見るとラクになる

津波の備えは、家にいるときより旅先で差が出ます。自宅周辺ならなんとなく坂道や高い建物を知っていますが、初めての街ではそれがありません。しかも観光中は、海の近くにいる時間が長い。

なのでおすすめは、ホテルで荷物を置く前か、駅に着いた直後に一度だけ地図を見ることです。近くの避難所や防災施設の場所、高いほうへ向かう道を頭に入れる。それだけで、いざというときの迷いがかなり減ります。

ふだん外出先で困るのは、非常時ほどスマホがつながりにくかったり、家族と連絡が取りづらくなったりすることです。津波は海辺の話に見えて、実際には「どこで待ち合わせるか」「どこへ逃げたと伝えるか」という、普段の連絡の延長線上にあります。

外出先の避難場所を、平時に1回だけ見ておくなら

津波の話は、知識だけだとすぐ流れてしまいます。実際に役立つのは、自分が行く街で避難所などの防災施設を見ておくこと。家の近く、職場の近く、旅行先の駅前。その3か所だけでも、かなり違います。

災害伝言板と防災施設情報の共有ガイドMAPは、避難所などの防災施設を地図で確認できて、災害伝言板で情報を共有できるアプリです。海辺の街に出かける日だけでなく、ふだんの通勤圏でも一度開いておくと、「この道を上がればいいのか」が具体的になります。

災害伝言板と防災施設情報の共有ガイドMAP

避難所などの防災施設を地図で確認し、災害伝言板で情報を共有できる無料アプリ

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次に海の見える街へ行くとき、最初の5分だけ使うなら、景色を撮りますか。それとも、逃げる坂を先に見ますか。

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