家の片付けで、古いペットボトルを袋いっぱいに出しました。「これってまたボトルに生まれ変わるのかな」と思っていたら、知人に「ペットボトルは、服にもなるんだよ」と言われました。半信半疑で調べたら本当で、着ているフリースの中には再生 PET から作られたものが結構あるそうです。身近なものほど、たどった先の意外さがあります。
今日10月20日はリサイクルの日。「ひ(1)とまわり、に(2)まわり」の語呂合わせで、1990年に制定されました。普段の分別ゴミが、どこに行って何になるのか、意外と知らないことばかりです。
本記事の要点
- 日本のペットボトル回収率は約93%(2022年度)で世界トップクラス
- 分別プラの約3割は実は焼却されている(サーマルリサイクル)
- 日本の都市鉱山の金保有量は約6,800トン、世界の金埋蔵量の約16%相当
- ペットボトルが服になる、本当の話
- 日本の紙リサイクル率は、世界トップクラス
- プラ分別の「3割」は、燃やされている現実
- スマホには、金・銀・銅が含まれている
- 都市鉱山、日本の金保有量は世界有数
- 電池の廃棄は、火災原因のトップクラス
- 生ゴミの8割が「水分」で、燃やすのに燃料が要る
1. ペットボトルが服になる、本当の話
ペットボトル(PET)はポリエステル繊維と化学組成がほぼ同じで、溶かして糸にできます。
ユニクロ・パタゴニア・無印良品などで販売されているフリースやポロシャツの一部は、再生 PET が原料です。500ml ペットボトル約10〜15本で、Tシャツ1枚ぶんの繊維が作れます。日本のペットボトル回収率は約93%(PETボトルリサイクル推進協議会 2022年度)。世界的に見てもトップクラスの回収率です。
2. 日本の紙リサイクル率は、世界トップクラス
日本の古紙回収率は約80%。新聞紙は98%、段ボールは95%以上という驚きの回収率です。
これは世界でもトップクラス(古紙再生促進センター 2022年)。ただし、新聞購読者の減少で古紙回収量は減少傾向。段ボールは EC 需要で増加。「新聞紙→段ボール」への構造シフトが進んでいます。
3. プラ分別の「3割」は、燃やされている現実
分別して出したプラスチックの約3割は焼却されています。日本では焼却処理も「サーマルリサイクル(熱回収)」としてリサイクル率に含める特殊な定義です。
「有効利用率87%」の数字が出ますが、国際基準の「マテリアルリサイクル(材料として再生)」で見ると約25%。汚れが落ちていない容器や、複合素材のラミネート(ポテチの袋など)は材料に戻しづらく、焼却処理に回されます。「分別した=再生される」とは限らない、は覚えておきたい点です。
4. スマホには、金・銀・銅が含まれている
スマートフォン1台には、金約0.03g・銀0.3g・銅10g・パラジウム0.015gなどの貴金属・レアメタルが含まれています。
スマホ1トンから採れる金は約280g。これは普通の金鉱石(1トンあたり約5g)の50倍以上の濃度です。2021年の東京オリンピックのメダル約5000個は、全国から集められた使用済みスマホ・小型家電から作られました(都市鉱山プロジェクト)。
5. 都市鉱山、日本の金保有量は世界有数
家庭や企業で眠っている廃家電から回収できる金属資源を「都市鉱山」と呼び、日本の金保有量は約6,800トンと推計されています。
これは世界の金埋蔵量の約16%に相当します(独立行政法人物質・材料研究機構 推計)。金鉱としての世界ランキングに置き換えれば、日本は世界有数の金資源国。回収技術が追いつけば、天然鉱山から新規採掘せずに済む可能性があります。
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6. 電池の廃棄は、火災原因のトップクラス
リチウムイオン電池を燃えるゴミに混ぜて出すと、ゴミ収集車や処理場で発火・爆発事故が起こります。
環境省によると2022年度のゴミ処理施設での火災は年間8,000件以上、その多くが電池・バッテリー類が原因と推定されています。モバイルバッテリー・電動歯ブラシ・ワイヤレスイヤホンなど、小型電子機器の電池が溜まりがち。家電量販店の回収ボックスか、自治体の指定回収日に出すのが鉄則です。
7. 生ゴミの8割が「水分」で、燃やすのに燃料が要る
家庭の生ゴミは、約80%が水分と言われます。水を燃やすわけですから、焼却炉で温度を上げるのに重油などの補助燃料が必要になります。
生ゴミを水切りして出すだけで、焼却エネルギーが大幅に減ります。多くの自治体が「水切りだけで年間1世帯あたり数kgのCO2削減になる」と呼びかけているのはこのため。小さな一手間が、燃料と税金の節約につながります。
まとめ: 「分別した」の、その先を知るところから
ペットボトルが服になり、スマホが金鉱になり、電池が火災原因になる。普段の分別ゴミが「どこに行って何になるか」を知るだけで、少し扱いが変わります。日本の回収率は紙もペットボトルも世界トップクラスですが、プラは3割焼却、生ゴミは8割が水分。「分別する」の次に「なぜ分別するか」を知るのが、暮らしの一歩です。
よくある質問 (FAQ)
Q. ペットボトルは本当に服になるの?
A. 本当です。PET はポリエステル繊維と化学組成がほぼ同じで、再生 PET から作られたフリースやポロシャツがユニクロ・パタゴニア・無印良品等で販売されています。
Q. 分別したプラは全部リサイクルされる?
A. いいえ。日本では分別プラの約3割が焼却されており(サーマルリサイクル)、材料として再生される「マテリアルリサイクル」は約25%です。
Q. 使わないスマホはどうすればいい?
A. 家電量販店の回収ボックスや自治体の小型家電回収日に出すのが安全です。都市鉱山として貴金属が再資源化されます。
Q. モバイルバッテリーを燃えるゴミに出していい?
A. 絶対にダメです。発火・爆発でゴミ処理施設の火災原因になります。家電量販店の回収ボックスへ。
Q. 生ゴミの水切りは本当に意味がある?
A. あります。生ゴミの約80%が水分で、水切りするだけで焼却に必要な補助燃料が減ります。自治体の試算で年間1世帯あたり数kgの CO2 削減。
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