今日11月2日、国の新しい役所「防災庁」がスタートしました。
発足と同時に出されたのが、国民・自治体・各省庁あての「緊急要請」。ニュースで「緊急」という言葉を聞いて、思わず身構えた人もいるかもしれません。
でも中身を読んでみると、求められているのは、実はどれも聞いたことのあることばかりです。水を備える、家具を固定する、ハザードマップを見る。分かってはいるけれど、正直まだやっていない。そんな「宿題」を、国があらためて突きつけてきた、というのが近い気がします。
せっかくなので、この機会にわが家の宿題を片づけてしまいましょう。
そもそも防災庁って、何が変わるの?
防災庁は、これまで内閣府の中にあった防災の部署を大きく作り直した組織です。トップは総理大臣で、初代の防災大臣には細野豪志さんが就きました。職員は当初352人の体制です。
大きく変わるのは、役所どうしの「縦割り」に横串を刺すところです。防災庁は、ふだんの備え(事前防災)から、災害が起きたときの対応、その後の復旧・復興までを一貫して指揮します。
今回の緊急要請では、各省庁に対して、学校や病院の耐震化、避難所のトイレやベッド、空調の充実など、合わせて106項目の取り組みを求めました。年末に進み具合を報告させ、遅れていれば再要請し、それでも改善しなければ「勧告」も出せる仕組みです。自治体には、避難所の環境をよくすることや、仮設住宅を建てる場所をあらかじめ決めておくことなどを求めています。
国の本気度は、なかなかのものです。では、私たちに求められたのは何か。
国から私たちへの「お願い」は5つ
- 家の耐震診断・耐震化と、家具の固定
- 水・食料・携帯トイレなどの備蓄(最低3日分、できれば1週間分)
- ハザードマップ、避難場所、避難経路の確認
- 非常持ち出し品の準備
- 防災訓練への参加と、ご近所との助け合い
こうして並べると「全部やるのは大変だな」と感じますよね。なので、数字に置きかえて、わが家に必要な量をイメージしてみます。
水は、家族4人の1週間で2リットルのペットボトル42本
飲み水の目安は、料理に使う分も含めて1人1日3リットル。3日分なら1人9リットル、1週間なら21リットルです。

家族4人で1週間分だと84リットル。2リットルのペットボトルに直すと42本、6本入りのケースで7箱になります。
思ったより多い、と感じた人がほとんどだと思います。全部を一度にそろえなくても大丈夫です。ふだん飲む水やお茶を少し多めに買っておき、飲んだら買い足す「ローリングストック」なら、置き場所さえ決めれば自然とたまっていきます。
いちばん見落としやすいのは、トイレ
備蓄というと、まず水と食料を思い浮かべます。でも、災害のときに意外と早く困るのがトイレです。
地震で断水したり、下水の配管が壊れたりすると、家のトイレは流せなくなります。配管が壊れたまま流すと、逆流したりあふれたりするおそれもあります。
内閣府の目安では、トイレは1人1日5回。3日分なら1人15回分の携帯トイレが必要です。家族4人なら60回分。
試しに、家にある携帯トイレを数えてみてください。「1つもない」という家も、きっと少なくないはずです。食料にくらべて、トイレは「足りないこと」に気づきにくい備えなのです。
そしてもう一つ。災害は、家にいるときに起きるとは限りません。通勤中や旅行先で被災したとき、近くのどこに使えるトイレがあるかを知っておくだけで、気持ちがだいぶ違います。
家は「建てた年」をチェック
耐震については、まず家の建てられた年を確認しましょう。
1981年5月以前に建てられた家は、今より古い耐震基準で建てられているため、耐震診断が強くすすめられています。さらに、1981年6月から2000年5月までに建てられた木造の家も、優先して耐震性を確かめてほしいとされています。多くの自治体に、耐震診断や改修の補助制度があります。
建て替えや改修はすぐには難しくても、家具の固定ならこの週末にでもできます。寝室の背の高い家具から始めるのがおすすめです。
避難所の場所は、平時に一度だけ見ておく
ハザードマップや避難所の場所は、いざというときに初めて調べても、スマホがつながらなかったり、慌てて見落としたりしがちです。
近所の避難所、職場の近くの避難所、よく行く駅の周りの広い場所。一度だけ地図で確かめておくだけで、本番の動きがまったく変わります。
今夜やることを、1つだけ
全部をいっぺんにやろうとすると、結局どれも手つかずになりがちです。
なので今夜は、1つだけ。家にある携帯トイレの数を数えて、「家族の人数×15回分」に足りているか確かめてみてください。足りなければ、次の買い物リストに書いておく。それだけで、防災庁の宿題がひとつ片づきます。
備えに使える、ファービヨンドの地図アプリ
情報共有マップくんシリーズには、今回の「宿題」に役立つアプリがあります。ふだんからスマホに入れておくのがおすすめです。
⛑️ 災害伝言板と防災施設情報の共有ガイドMAP

避難所などの防災施設を地図で探せて、災害用伝言板も使えるアプリ。緊急要請の「避難場所の確認」は、このアプリで近所と職場の周りを一度見ておくだけで済みます。電話がつながりにくいとき、家族の安否を伝える手段をひとつ増やしておけます。
使い方は3ステップ
- 出かける前に、その街の避難所や公共施設の場所を見ておく
- 混雑時は地図から近くの広い場所・施設を確認
- いざというときは災害用伝言板で状況を登録・確認
iOSアプリ / Androidアプリ / Web版
🚽 トイレ情報共有マップくん

全国の公衆トイレ・多機能トイレを地図で探せるアプリ。外出先で被災したときや、避難の途中でトイレが必要になったとき、近くのトイレをすぐに探せます。ふだんから入れておけば、いざというときに慌てずに済みます。
使い方は3ステップ
- 地図で、いまいる場所の近くのトイレを表示
- 多機能・バリアフリー・おむつ替え台など条件で絞り込み
- 利用した施設の情報を追加すると、地図が少し賢くなります
iOSアプリ / Androidアプリ / Web版
※記事中の内容は、2026年11月2日時点の報道(熊本日日新聞、日本気象協会tenki.jp、NHKなど)と、防災庁の緊急要請を紹介した記事、内閣府「災害用携帯トイレ・簡易トイレの備蓄について」(令和4年)をもとにしています。写真はUnsplashのフリー素材です。


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