【秋分の日とお彼岸の7つの話】昼と夜は、じつは同じ長さではない

秋分の日とお彼岸の7つの話 彼岸花とおはぎ 雑学コラム

子どものころ、祖母に「おはぎとぼたもちって何が違うの」と聞いたことがあります。答えは一言で、「同じや」。あまりに潔くて、それ以上聞けませんでした。

大人になって調べたら、祖母はだいたい正しかった。今日9月23日は秋分の日で、お彼岸の中日にあたります。今日は、この時期にまつわる話を7つ。

草むらに咲く赤い花の束
写真: Unsplash

1. 秋分の日の趣旨は「祖先をうやまう」

国民の祝日には、それぞれ法律で趣旨が定められています。秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」。ちなみに春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」です。

同じ昼夜の長さが並ぶ日でありながら、春は生命のほうを、秋は亡くなった人のほうを向いている。春に生まれて秋に還る、という感覚が祝日の文言にそのまま残っているのは、なかなか味わい深いところです。

2. お彼岸は7日間。今日はその真ん中

お彼岸は、秋分の日を中日(ちゅうにち)として、前後3日ずつを合わせた7日間。今年でいえば9月20日が彼岸入り、23日が中日、26日が彼岸明けになります。

春分のときも同じ形で春のお彼岸があるので、日本には1年に2回、7日間のお彼岸があることになります。お盆が「先祖が帰ってくる」行事なのに対し、お彼岸は「こちらから会いに行く」行事だと説明されることが多い。だからお墓参りの季節なのですね。

3. 「彼岸」は、向こう岸のこと

彼岸とは、仏教でいう「向こう岸」、すなわち悟りの世界を指します。これに対して、私たちが生きているこちら側は「此岸(しがん)」。

もともとは修行の期間という意味合いが強く、太陽が真東から昇って真西に沈むこの時期は、西方にあるとされる極楽浄土の方角がはっきり分かる日とされてきました。だから、この時期に西へ向かって手を合わせる。天文現象と信仰がきれいに結びついた行事で、日本独自の発展だと言われています。

4. 昼と夜は、じつは同じ長さではない

「秋分の日は昼と夜の長さが同じ」と習いますが、正確には違います。実際には昼のほうが十数分長いのです。

理由は二つ。ひとつは、日の出・日の入りを太陽の上端が地平線に接した瞬間で定義しているため、中心で測るより早く出て遅く沈むこと。もうひとつは、大気による光の屈折で、太陽が地平線の下にあってもまだ見えていること。この二つの効果で、昼が数分ずつ得をしているわけです。昼と夜がほぼ同じになるのは、秋分の数日後になります。

赤い花のクローズアップ
写真: Unsplash

5. ぼたもちとおはぎは、やっぱり同じもの

祖母の答え合わせです。基本的には同じ食べ物で、季節によって呼び名が変わると説明されるのが一般的です。春は牡丹の花にちなんで「ぼたもち」、秋は萩の花にちなんで「おはぎ」。

ほかにも、あんこの種類(つぶあん・こしあん)で区別する説、大きさや形で分ける説など、地域や家によってさまざまな言い分があります。つまり全国的な正解はない。祖母の「同じや」は、乱暴なようでいて、いちばん正確な答えだったことになります。

6. 彼岸花が田んぼの畦に多い理由

この時期に真っ赤に咲く彼岸花(曼珠沙華)。お彼岸のころにきっちり咲くので、この名前がついたとされています。

おもしろいのは、あの花が田んぼの畦や墓地に集中して生えていること。彼岸花の球根には毒があり、これがモグラやネズミを遠ざけると考えられて、人の手で植えられてきたという説があります。畦を守り、土葬の時代には墓を守った。「不吉な花」というイメージとは裏腹に、かなり実用的な理由で人のそばに置かれてきた花だと考えると、見え方が変わります。

7. お墓参りに行けない年の話

お彼岸だからといって、全員が実家に帰れるわけではありません。遠い、忙しい、体調が悪い。行けない年は普通にあります。

そういうときは、家で手を合わせるだけでも十分だと言われます。故人の好きだったものを食卓に出す、写真の前に花を置く、家族に電話して思い出話をする。形式より、思い出す時間があることのほうが大事なのだと思います。

もし行けるなら、実用的な話としては午前中がおすすめ。気温が上がる前で、水汲み場も混みません。掃除道具は霊園に備えつけがあることも多いので、行く前に確認しておくと荷物が減ります。

まとめ:連休の最終日に、少しだけ

今日は5連休の最終日でもあります。遠出の予定がないなら、少しだけ西の空を見てみてください。真西に沈む夕日は、1年に2回しか見られません。

そして、おはぎをひとつ。呼び名で議論になったら、「同じや」と言い切ってしまってかまいません。私の祖母がそう言っていました。

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