【街歩きがダンジョンになる日】人はなぜ駅で迷うのか…迷いの雑学7選

街歩きがダンジョンになる日 位置情報と迷いの雑学7選 雑学コラム

新宿駅で迷ったことがない人を、私は知りません。地図アプリを開いても、そもそも自分が地下何階にいるのか分からない。矢印はぐるぐる回り、目の前の通路は工事中。あの敗北感は、なかなか独特です。

ただ、迷うのは方向感覚が悪いからではありません。人間の脳の作りと、街の作りが噛み合っていないだけ。今日は「迷う」をめぐる雑学を7つ、最後に迷うこと自体を遊びにしてしまった話をひとつ。

飲食店の前に立つ人と夜の路地
写真: Unsplash

いつだったか、新宿駅で待ち合わせに20分遅れ、相手から「いまどこ?」と聞かれて「新宿駅」としか答えられなかったことがあります。情報量ゼロの返事です。あの日から、私は「〇〇口の△△の前」と言えるようになりました。成長です。

1. 人は方角ではなく、目印で歩いている

道案内をするとき、多くの人は「北へ200m」ではなく「コンビニの角を左」と言います。これは人間の空間認識が、方角ではなくランドマークの連なりでできているからです。

だから、目印が消えると一気に迷う。同じ看板が並ぶ地下街、似た形の通路、四方が同じに見える大型施設。方向音痴と呼ばれている状態の多くは、単に手がかりが足りない場所に置かれただけです。

2. 新宿駅は、世界一利用者が多い駅とされてきた

新宿駅は1日あたり350万人前後が利用するとされ、世界一利用者の多い駅としてギネス世界記録に認定されたこともあります。乗り入れる路線が多く、地下でつながる商業施設も広い。

迷って当然の規模です。出口だけで200近くあると言われ、「新南口」と「南口」と「サザンテラス口」は別物という、初見殺しのような命名まである。あそこで迷うのは、能力の問題ではなく規模の問題です。

3. 迷路の「右手法」は、じつは万能ではない

迷路に入ったら右手を壁につけたまま進めば必ず出られる。有名な攻略法ですが、これが通用するのはすべての壁がつながっている迷路だけです。

途中に島のように独立した壁があると、その島の周りをぐるぐる回り続けて出られません。街も同じで、ブロックの周りを一周してしまい、同じ店の前に三度戻ってくることがある。壁伝いは万能ではない、というのは覚えておいて損のない話です。

4. 地下街では、方角が消える

地上を歩いているとき、人は無意識に太陽の位置、建物の高さ、遠くの山や高層ビルを手がかりにしています。地下ではそれが全部なくなる。

さらに厄介なのは、地下通路がゆるやかに曲がっていることです。人間は5度程度のカーブを直進だと感じてしまうため、まっすぐ歩いたつもりで90度向きが変わっている。地下で迷ったら、いちど地上に出るのが最短の解決策だったりします。

高層ビルが立ち並ぶ街並み
写真: Unsplash

5. 歩いた場所は、記憶に残りやすい

古代ギリシャから伝わる記憶術に「場所法(記憶の宮殿)」があります。覚えたいことを、よく知っている家や道順の各地点に置いていく方法。順番に歩けば思い出せる、という仕組みです。

これが成立するのは、脳が場所と記憶を結びつけて保存しているから。知らない街を歩いた日のことをよく覚えているのは、記憶の側にとって歩行がとても良い記録形式だからとも言えます。散歩が気分転換になるのは、たぶん偶然ではありません。

6. 位置情報ゲームは、街の解像度を上げる

位置情報を使ったゲームが流行したとき、いちばん驚かれたのは「近所にこんな神社があったなんて知らなかった」という声の多さでした。

毎日通っている道でも、人は目的地しか見ていません。そこに「見る理由」を1つ足すだけで、同じ道が別の場所になる。地図に何かを重ねるという行為は、案外それだけで街歩きの質を変えてしまいます。

7. いっそ、迷うことを遊びにしてしまう

迷うのが避けられないなら、迷うこと自体を目的にしてしまえばいい。そんな発想でつくられているのが、ファービヨンドのシティダンジョンです。

コンセプトは「迷うほど、面白い」。実在の街を舞台にした迷路探索ゲームで、5つのスタンプを集めてゴールを目指します。ステージには新宿、渋谷、上野、東京駅、京都駅、博多、大阪などが用意され、実際の新宿の地図の上を探索するステージもあります。NPCとの会話イベント、正気度メカニクス、マルチプレイのチャット、ランキング、そして「迷い証明書」の発行まであるのが、なんともいい。

迷ったことを証明書にしてしまう発想は、あの駅で途方に暮れた経験がある人ほど刺さるはずです。

まとめ:迷子は、街をよく見るための時間

予定どおりに移動した日のことは、あまり覚えていません。覚えているのは、道を間違えて入った路地や、たまたま見つけた店のほうです。

今週末、時間に余裕があるなら、あえて一本違う道で帰ってみてください。地図があるからこそ、少し迷ってみる余裕が持てる。そういう遊び方も、悪くないと思います。

ファービヨンドのアプリ紹介

歩いて見つけたものは、その場で地図に置いておくと次につながります。

シティダンジョン

シティダンジョンのアイコンとアプリ画面

「迷うほど、面白い」がコンセプトの、実在の街を舞台にした迷路探索ゲーム。新宿・渋谷・上野・東京駅・京都駅・博多・大阪などのステージがあります。

使い方は3ステップ

  1. ステージ(街)を選ぶ
  2. 十字キーで探索し、NPCと話しながら5つのスタンプを集める
  3. ゴールしてランキングと「迷い証明書」を確認する

Web版

歴史名所情報共有マップくん

歴史名所・聖地巡礼情報共有マップくんのアイコンとアプリ画面

神社仏閣から作品の舞台まで、行きたい場所を地図で共有できるアプリ。御朱印めぐりにも使えます。

使い方は3ステップ

  1. 行きたい場所を検索して地図に並べる
  2. 近い順に並べて、その日のルートを考える
  3. 訪れた場所の情報や注意点を追加する

iOSアプリ / Androidアプリ / Web版

トイレ情報共有マップくん

トイレ情報共有マップくんのアイコンとアプリ画面

近くのトイレを地図で探せる、ユーザー投稿型のマップです。多目的トイレやオムツ替え台の有無まで分かるので、小さなお子さん連れや、外出先で困りやすい方に特に使われています。

使い方は3ステップ

  1. アプリを開くと、現在地のまわりのトイレが地図に表示されます
  2. ピンをタップして、多目的トイレ・オムツ替え台・営業時間などを確認
  3. 見つけたトイレは自分でも追加・編集できます。次に困る誰かのために

iOSアプリ / Androidアプリ / Web版

「情報共有マップくん」は、合同会社ファービヨンドが運営する、みんなで場所の情報を持ち寄る地図アプリのシリーズです。ふだんから使い慣れておくことが、いざという時のいちばんの備えになります。

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