きっかけは一本の声かけから
それは約1年前のこと。 2024年の夏くらいかな。
ある日、小野寺リサさんから「万博の出展枠があるみたいだけど、どう?」と連絡をいただきました。
その瞬間、私の心には二つの声が同時に響きました。
「せっかくの機会だし、やってみたい!」 「いやいや、ファービヨンドはIT会社。アナログな展示会なんてやったことないし、費用もかかるし、準備も大変だぞ…」
現実的な自分と、好奇心旺盛な自分がせめぎ合う中、「これは一人で決められない」と思い、すぐに米田さんに相談しました。
そして返ってきた答えは予想外に早く、迷いのない一言でした。
「やる!」
あまりに即答だったので、「本当にいいんですか?」と聞き返したほどです。
こうして、私たちの大阪万博プロジェクトは、静かに、しかし確実に動き出しました。
米田さんの凄いところはリスクを恐れないこと。大体二つ返事でOKがかえってきます(笑)
今までも痛い目を何度も見ているはずなのに。
不屈の精神とポジティブマインドが爆裂しています!
因みにヨネコメ秘話ですが、小野寺梨紗さんからヨネコメ倶楽部を作ろうと言われた前日に米田さんや@二瓶ちゃんと飲んでいて、米田さんの勢いが凄すぎるんで米米倶楽部ならぬチョメチョメ倶楽部を作ろうよって話が出ていて大笑いしてたんですね。
企画・申請という最初の壁
出展が決まって最初にやるべきことは、出展要件の確認でした。 主催者から送られてきた分厚いガイドラインには、安全基準、展示規格、申請手順、納期など細かく書かれており、それを一つ一つ読み込みながら企画を練ります。
テーマはすぐに決まりました。 「未来のトイレ」「誰も取り残さないトイレ」 これはファービヨンドが取り組んできた「トイレマップ」や、災害時でも使えるトイレ技術、ユニバーサルデザインの思想と相性が抜群でした。
ベトナムに米田さんと一緒に行った時に電気がなくてもシャワー洗浄トイレをできる企画を提案していたんです。
そしたら感動してくれたようで、早速作ろうということになりました(笑)
しかし、このテーマを具体的な展示内容に落とし込む作業は容易ではありません。 申請書を作っても、主催者からは容赦なく修正依頼が入ります。
- 「説明が不足している」
- 「展示サイズや位置が不明確」
- 「安全基準を満たすための追加情報が必要」
そのたびに修正し、再提出。 Web会議も何度も行い、時には夜遅くまで議論が続きました。 ようやく申請が受理されたのは、2024年冬の寒さが厳しくなってきた頃でした。 この時点で「もうひと仕事終えたな…」と軽く達成感を覚えたほどです。
仲間が集まり、チームが動き出す
2025年に入り、私はLinkedInの「米米CLUB」で告知を出し、協力者を募りました。 すると、多くの仲間が「手伝います!」と声を上げてくれました。
ここからプロジェクトは一気に加速します。 役割分担を決め、月1回の定例会議に加え、必要に応じて週1回のオンラインミーティングも開催。 みんな本業がある中、夜遅くまでZoomをつなぎ、笑いあり真剣な議論ありの時間を共有しました。
- 小出さんは、災害時に役立つ女の子向け手作りグッズを制作
- コンテンツ班は動画・画像・クイズ大会のコンテンツを制作
- 英語対応班は外国人来場者向けの資料を準備
- 中村さんはQRコード解析担当
- 運営班は当日の接客シナリオや休憩交代スケジュールを策定
- Tシャツや名刺、何をどこにどう置く、誰が何を担当する
- 暑くて体力持たないからシフト制にする
- パスをどうやって配る
それぞれが自分の得意分野を活かしながら、着実に形を作っていきました。
株式会社YONEDAの技術とクリエイティブ
技術面で大きな役割を果たしたのが株式会社YONEDAのチームです。 彼らは短期間で以下のような革新的な製品を開発してくれました。
- ヘルスチェックトイレ
- 電気不要のシャワー洗浄ツール
- 水ろ過システム
さらに、集客効果を高めるためにデザインTシャツ、うちわ、パンフレットも制作。 見た目の印象からブースの魅力まで、技術とデザインの両面で大きく貢献しました。
決起会と設営前夜
本番前には何度か直接集まり、決起会を実施。 そして展示日前日には大阪で最終ミーティングを行い、地元の方々も応援に駆けつけてくれました。 会場では、大きな荷物を解体し、パーツを組み立て、展示物を配置する作業を何時間もかけて行いました。 設営は想像以上に体力を使い、汗だくになりながらも、全員で「いい展示にしよう」と気持ちを一つにしました。
展示初日、予想外の盛況
私たちのブースは会場の端。 正直、人通りは少ないだろうと予想していました。 しかし、蓋を開けてみると朝から来場者が途切れず、子どもから大人まで幅広い層が足を止めてくれました。
特に人気を集めたのは「ウンチレンジャーのホログラム」。 子どもたちは目を輝かせて見入り、保護者の方もスマホで撮影。 さらに大阪府副知事までがブースを訪れ、新井さんが丁寧にアテンドしてくれました。
猛暑の3日間と恵みの小雨
会期中は猛暑が続き、1日で2〜3万歩歩くハードスケジュール。 普段スポーツをしている私でも、長時間歩き続ける疲れは別物で、足腰の重さを痛感しました。 交代で休憩を取りながら運営し、時折降る小雨がクールダウンの役割を果たしてくれました。 幸い、大雨になることはなく、天候にも恵まれました。
万博を楽しむ時間も
自分たちもチケットを持っていたので、空き時間には他のパビリオンも見学しました。 世界各国の文化、最先端の技術、独自の芸術表現――万博ならではの多様性に触れ、出展者でありながら来場者としても楽しむことができました。
これから行く人へのアドバイス
現場を体験して分かった、来場者目線のアドバイスです。
- スマホと予備バッテリー必須 キャッシュレスが基本で、予約や決済はスマホ依存度が高いです。
- パビリオンは朝か夜が狙い目 9〜11時は比較的並びやすく、それ以降は混雑と暑さがピークに。
- 人気館は事前予約必須 サマーチケットは2日分まで予約可能。来場後に更新すると効率的です。
- 帰り時間の計画を 20時花火、21時ドローンショー後は混雑のピーク。体力温存なら早めの帰宅も。
- 複数日来場がおすすめ 会場は広すぎて1日では回りきれません。余裕を持って楽しむのが正解です。
おすすめパビリオン(体験者目線)
- イタリア館:芸術的展示と空間デザインが圧巻 超混んでる デルコン 3時間は待ちそう 行くなら朝一番で フランス館も
- シンガポール館:自然とテクノロジーの融合演出が秀逸
- 日本館:最新技術のショーケース
- アメリカ館:映像と音響による没入体験
- 未来モビリティゾーン:次世代交通の実物展示が迫力満点
- スカイドライブ 空飛ぶクルマ 最果ての地で発着デモ飛行しています
感謝の気持ちを込めて
この出展は、以下の方々の協力なしには実現しませんでした。
米田 英一 ➡️展示品開発制作 即決の「やる!」で背中を押してくれた
小野寺 梨紗 ➡️総合プロデュース 出展のきっかけを提供
安倍 弘和 ➡️医療、診療相談 本当の泌尿器科医
小出 香 ➡️おまもりポーチ開発制作 子供クイズ接客
坪根 かおる ➡️チャキチャキマネージャー(英語対応
Izumi Maeda ➡️英語にて商品説明
杉本 愛 ➡️お客様対応
新井 悠介 ➡️ITスペシャリスト アドバイザー 副知事アテンド
中村 聡 ➡️QRアナリティクスわれどこ
山田さん YONEDA社員 事務手続き 細かな作業や発送など
そして猛暑の中、ブースを訪れ、笑顔を見せてくれた全ての来場者に―― 心から感謝します。
最後に
大阪万博出展は、IT企業の枠を超えた挑戦であり、人と人が直接つながる現場の力を再認識する機会でした。 体力的にも精神的にもハードな3日間でしたが、それ以上に多くの出会いと学びがありました。
次はもっと足腰を鍛えて、さらに多くの来場者を笑顔にできる展示を作りたい。 この経験はゴールではなく、新たな挑戦の始まりです。
皆ありがとう!!!
そしてよく頑張った!!俺!!!
トイレイノベーションに幸あれ!!
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