高齢者の声が優先されてきた時代
これまでの日本社会は、人口構成や投票率の高さからも明らかなように「高齢者主体」で動いてきました。公園に行っても「ボール遊び禁止」「花火禁止」「大声禁止」と、子どもや若者の活動を抑え込むルールが並びます。
背景には、近所の高齢者が市役所にクレームを入れ、それを行政が受け入れることで「禁止」が既成事実化していった流れがあります。その結果、公園は散歩や休憩にしか使えない場所になり、地域イベントや祭りも「高齢者の自己満足」が中心のものが多く見られました。
少子化がもたらすパラダイム転換
しかし、深刻な少子化を前に自治体も変わり始めています。今や子どもは「貴重な資源」であり、子育て世帯を呼び込むことは地域の生存戦略そのものです。
最近は、以下のような変化が出ています。
• 花火ができる公園の復活
• ボール遊び専用エリアや芝生の整備
• 親子向けイベントや子どもが主役の祭りの増加
• 「遊ぶこと」「体験すること」を重視した行政企画
「禁止」から「活用」への意識転換が少しずつ進んでいるのです。
禁止文化から共存文化へ
日本の行政は長年「禁止」で責任を回避してきましたが、未来の社会に必要なのは「共存のルールづくり」です。
• 火の始末をきちんとする
• 時間帯を区切って使う
• 地域ボランティアと協働して管理する
こうした工夫をすれば「危険だから禁止」ではなく「ルールを守れば楽しめる」に変わります。
未来をつくるのは誰か
高齢者の安全や安心も大切ですが、未来を担うのは子どもたちです。子どもや若者がのびのびと遊び、経験を積み、地域とつながれる場を増やしていかなければ、社会は持続しません。
つまり、これからの社会は 「高齢者主体」から「子どもと家族主体」への転換 が不可欠です。そしてその変化は、すでに静かに始まっています。



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